輪作体系における使用

北海道を中心に大規模な露地栽培を行っているエリアでのコフナの使用を紹介いたします。コフナは、基本的に毎年1回以上の使用を薦めておりますが、作付けをしている作物の経済性、土壌の劣化度合いによっては、5~6年を一つの期間として、特に必要と思われるタイミングでの使用をお勧めしております。特に広大な面積を栽培管理していると、堆肥等の有機物の補給が難しく、栽培作物の残渣を有効利用することで、土壌に腐植を補うこととなり、生育及び土壌病害対策に繋がります。

<輪作栽培におけるコフナの考え方>

①前作残渣、残根の問題点

二期作や二毛作も含め、前作の収穫後より短い期間で次作の植え付けが行われる場合、前作の残根や残渣の処理が不十分であることが次作の初期生育へ影響を与える要因として挙げられます。後作に対して、土壌病害に感染した前作の残渣や残根を圃場にそのままの形で残すことはリスクとなります。100%の持ち出しができないため、消毒(広大な面積では非常に難しい)もしくは分解をする必要があります。
一般的に土壌病原菌は栽培されている作物(生きている作物)や充分に分解されていない易分解有機物などに寄生して生息します。感染した前作の残根や残渣がそのままの状態で圃場に残り、次の作付けが行われると土壌病原菌にとっては新しい生息環境が与えられ、次作の作物に寄生して生息するサイクルが発生します。コフナは前作の残渣や残根を次の作付けまでに充分に分解し、土壌病害菌の生息する環境を取り除く圃場作りを目的に使用します。

②土壌有機物の腐植化

前作の残渣は後作に対して、腐植を供給する材料となります。前作の根が深く張っていれば、それを分解腐植化することで、深層まで団粒化を促進することになり、耕土を深くし物理性の改善に繋がります。

③栽培体形に組み込む場合の注意点

コフナを今まで使用していない圃場で、特に微生物性が悪い圃場においてはじめて使用する場合、残渣の分解のタイミングによっては窒素飢餓を起こす、突然肥料が効きだす等の事柄が起きています。分解するまでの時間を十分にとり次作に備えてください。

④コフナ使用方法(北海道の事例)

地温や次の作付けまでの期間、前作の残根・残渣条件によってコフナの使用方法を選択して下さい。
微生物活性の基本条件として、
①地温が高い。 ②分解期間を充分に確保。 ③有機物の炭素率が低い。
以上3点が挙げられ、①~③の条件が整うほど有機物はより分解されます。


○夏~秋に収穫 来春の作付け:

収穫後は地温が高く、次の作付けまで期間が充分とれる条件です。
コフナMPSS 3~5袋/10a 全層散布

○夏~秋に収穫 すぐの作付け:

収穫後は地温が高く、次の作付けまでの期間が限られている条件です。
コフナMPSS 10~15袋/10a 全層散布

○収穫後の地温が低い条件:

地温が低いため、微生物の活性を高める環境を整えます。
コフナMPSS 15~20袋・米ぬか 225~300kg/10a

○残渣の炭素率が高い条件:

残渣の炭素率が高いため(ナス・茶など)、微生物が分解し易く調整します。
MIC-108 5~7袋・硫安 40~60kg/10a

上記条件の組み合わせにて、コフナMPSSとMIC-108の併用や使用量の調整をお願いします。

参考事例(北海道 帯広市 広山雄一様)

※コフナ使用の目的(平成25年コフナ会表彰資料より抜粋)
馬鈴薯のそうか病、長いもの根腐れ病の発病を抑止するために前作残渣分解、作付前の土壌微生物の多様化・活性化による静菌作用の向上

参考事例(北海道 帯広市 広山雄一様)
メークイン例
ながいも畑