不耕起栽培での使用

年々不耕起栽培(イ:何年も耕起せず、ロ:年間に4回転以上の作付けを行いながら年1回の耕起など)は増加している傾向にあります。特に施設栽培のイチゴでは、徐々に技術が確立してきており、不耕起を行う産地が増えてきております。また、イチゴにとどまらず、果樹、施設栽培のナス、トマト、青梗菜などでも実施されています。
ただ、順調に不耕起栽培を継続されている圃場があるものの、数年経つと通常の耕起する栽培に戻す方もいます。ここでは、継続して不耕起を行う上でのコフナの使用法を説明いたします。

1.メカニズム

<不耕起栽培に適した土壌とは>

必要な養分と空気がバランスよく配置されている土壌です。土壌中において多数の微生物が有機物(投入有機物、根など)を分解、腐植化し団粒構造を継続的に作れることが必要となります。

<不耕起栽培を行なうには>

不耕起栽培を取り組む上で、水はけが良くやわらかな土であること(団粒構造を作っていること)が一つの条件です。不耕起栽培において、土を耕す作業は植物の根が行います。

①発根量が多く、収穫終了後分解腐植化
②団粒構造が再生
③次作も安定して根が出る

土壌の腐植が安定化
ということとなります。


現場で、不耕起栽培をやめるかどうかの判断を求められた時には、根が存在して欲しいところに根があるか(もしくは水分が保持されているか)確認し、十分に根が張っていないときには、再度耕起し、腐植質を投入するもしくは、腐植分を多めに散布し継続するかの判断を行います。確認方法としては、土壌硬度を測定し、初年度と次年度以降硬度が同じもしくは柔らかければ、継続で問題ないと考えられます。

例)イチゴ不耕起栽培時での判断

イチゴ不耕起栽培時での判断

栽培終了後マルチをめくり、この部分が乾燥、根が来てないようであれば、投入資材の見直し、もしくは、一度耕起を

団粒粒構造の基となる腐植をつくるためには、有機物だけではなくコフナのような微生物の力が必要になりますので、コフナを定期的に散布して下さい(深くすき込む必要はありません。コフナが乾かない程度に軽く土と混ぜる、有機物で覆う)。有機物との組み合わせの中で、出来るだけ分解速度の異なる有機質と組み合わせることにより、より長期にわたって腐植が土壌中に存在することになります。
これらの腐植を作るには時間が必要です。基本的に効果が見えるのに3年かかるといわれています。短期間で効果を見せるにはコフナ・ソーラー法や収穫直後のコフナ施用などを実施して下さい。真夏に多量の有機質とコフナを投入するコフナ・ソーラー法を行なう畑では、腐植が多く団粒構造が出来ているため、何作でも不耕起栽培が可能になります。

2.事例1:宮城県チンゲンサイ

十数名のグループでチンゲンサイ、小松菜、雪菜などコフナ使用の野菜として契約栽培しています。不耕起栽培を始めて15年目(年7~8作)になります。

①毎年コフナ・ソーラー法を行ない1年間の不耕起を繰り返す方法

実施時期:5月上旬~6月中旬(1~1.5ヶ月)

使用数量:

◆コフナ・ソーラー法時

コフナ1号 225kg
有機配合(6-4-1) 60kg
過石 60kg いずれも/10a
ケイ酸カリ 20kg
モミガラ堆肥

◆コフナはこの他に年2~3回投入

②条件が整えば連続不耕起に入る方法

①の方法を数年行ない、土の状態、根張り、葉肉の厚み等が安定してから。

使用数量:

◆元肥

コフナ 225kg
有機配合(6-4-1) 100kg
過石 100kg いずれも/10a
ケイ酸カリ 40kg
モミガラ堆肥

◆コフナはこの他に年2~3回投入

いずれもセンチュウ・土壌病害・雑草が軽減され、雑草は全体の量が減るとともに、種類も減っていきます。播種前に鎮圧をかけることにより保水力が増し、夏場の地温上昇も抑制され根張りも良くなります。

3.事例2:愛知県イチゴ

平成26年コフナ農法普及協議会 イチゴ普及部会 圃場見学資料より
現代農業:1999年07月号に取材記事掲載

イチゴ連続畝利用栽培
<10年以上畝を崩さず栽培>

栽培体系

イチゴ不耕起栽培時での判断

初期は土壌消毒のみ、その後消毒後にコフナを投入し、平成20年頃からコフナ・ソーラー法に変更している。使用数量は25袋/10a(太陽熱消毒時50%・施肥50%の使用割合)


土つくりのポイント:肥料少なめの土壌改良材多め

少量土壌栽培についてのポイント
少量土壌栽培についてのポイント
少量土壌栽培についてのポイント
少量土壌栽培についてのポイント

平成26年11月6日撮影